地の星

流転の海 第二部
著者:宮本 輝 発行所:新潮社

50歳で待望の子を授かった松坂熊吾。そして生まれつき体の弱い
伸仁(のぶひと)、妻房江の健康を願い、大阪の事業を畳み
四国・愛媛県南宇和の故郷へと移住する。
移住して4年、伸仁と房江は自然の中で健康に暮らす。
田舎暮らしに退屈を覚えた熊吾は、和田茂十を県会議員にすべく
選挙参謀となる。小学校の同級の増田伊佐男がヤクザになり、熊吾
の選挙妨害に出る。辻堂から失踪した井草の居場所を教えられた
熊吾は、遠く金沢まで井草に会いに行く。肺病で死に瀕した井草は、
熊吾が妻への度重なる暴力をふるう事がどうしても許せなかった
と告白する。二度と妻を殴らないと決めた熊吾だが、四国へ帰って
すぐに、また嫉妬心から房江を殴打する。
故郷へ帰ってから、美津子の亭主、政夫の女房、井草正之助、政夫、
和田茂十、そして伊佐男の散弾銃自殺とゆかりのある人間が次々と
死んでいった。熊吾は、「俺のふるさとの使命は終わった」と
大阪に戻る決心をする。☆☆☆☆☆

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