ヒグマとの戦い

著者:西村武重 発行所:山と渓谷社

札幌市の隣にある北広島市が有名ですが、岐阜、栃木、香川、
山口、福井、秋田、宮城など日本各地の地名が、北海道には
あります。まさに入植、開拓の歴史です。

著者は、四歳の時に、生まれた四国より父に連れられ
札幌に移住。明治29年であった。
未開の北海道で、狩猟と釣りに生活の糧を求め、大正五年
には、北海道東部の中標津(なかしべつ)へ25戸50余人で移住。
養老牛(ようろうし)温泉を開拓する。

真っ黒になるほどの鮭の遡上、大ヤマベに30超のイワナ、
今では幻の魚と言われるイトウ。
1日に三頭も仕留めたヒグマの話以外に
キツネ、キネズミ、タヌキ、ウサギ、ヤマドリ、ガン、マガモ、
カワウソ狩りなど、開拓時代の大自然北海道での狩猟生活に触れ、
異空間を旅しているような錯覚を感じました。

ヒグマを題材にした有名な小説に、吉村昭著「羆嵐」、
また熊谷達也著「ウエインカムイの爪」などがあり、
これら有名な小説に劣らず、ヒグマとの死闘を鮮明に
書き綴っています。また狩人ならではの視点から、手負いの
羆の恐怖を見事に描写しています。☆☆☆☆

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