花の回廊

流転の海 第五部
著者:宮本 輝 発行所:新潮社

関西中古車業連合会の旗揚げに失敗した熊吾。エアーブローカー
として日銭を稼いでいたが、昔の知り合いの柳田がタクシー会社
を買収、日の出の勢いとなっており、学校跡地に巨大モータープール
を作る熊吾の計画に賛同、その経営を任される事になった。
軌道に乗せるまで、房江は小料理屋の賄い婦としてアルバイトに出る。
伸仁は、尼崎の迷路のような安アパートでお好み屋
をやっている妹のタネに預けられる。時代は、朝鮮戦争が起こり、その
アパート内に住む多くの朝鮮人も北と南に分かれていがみ合っていく。
殺人で服役を終えた男や闇の金貸し、売春婦など入り乱れて生活をおくる
その安アパート「蘭月ビル」で1年過ごす間に伸仁は、たくましく育って
いく。そして、モータープールの管理人して住み込み、ようやく親子3人で
の生活が戻る。☆☆☆☆☆

あとがきで、作者が第一部を書き始めた時が35歳、
この第5部を書き終えた時には還暦となり、熊吾と
同年齢になったと書かれています。

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