脱出記

脱出記
シベリアからインドまで歩いた男たち
著者:スラヴァミール・ラウイッツ 発行所:ヴィレッジブックス
訳者:海津 正彦

ラウイッツは、ポーランド人である。第二次大戦、ポーランドは
ドイツとソ連の板挟みにあい、どこの国よりひどい仕打ちを受けてきた。
ラウイッツは無実にも関わらず、スパイ容疑をかけられ、25年の強制労働を
言い渡される。
家畜車両に身動きができない程詰め込まれ、ひと月も鉄道に揺られ、
また、極寒の地を徒歩で何週間もかけて強制収容所まで歩かされた。
どんどんと死んでいったが、ソ連は頑健な労働者が必要であり、弱って
死んでいく者には容赦なかった。
マイナス40度以上の強制収容所での過酷な生活の中で、仲間6人と脱走する。
バイカル湖の沿岸を通り、モンゴルへ入る。そして45度以上にもなり、日本に
黄砂を降らせるゴビ砂漠の横断、そしてチベットに入りヒマラヤを越え、インドまで。
全長6500キロにも及ぶ凄まじい行程を、食料も装備もないまま7人の男たちは、
歩き続け極限のサバイバルを体験することになる。☆☆☆☆☆

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