長流の畔

流転の海 第八部
著者:宮本 輝 発行所:新潮社

経理をまかせていた玉木の横領額は大金であり、熊吾は金策に
駆け回っても松田茂に借りた金は返せなかった。
松田に借りた半分は、房江のへそくりで返したが、松田の母親
の嫌がらせは続いた。
関西中古車連合会を新たに立ち上げ、千鳥橋の広大な工場跡地
を格安で借りることに成功した熊吾は、旧知の仲間を勧誘して
何とかそこで開業にこじつけた。
はごろもの事業縮小を考えていた熊吾に、パブリカ大阪北の東尾専務が、
松坂板金塗装をやらせてほしいと頼み込んでくる。
熊吾にそのまま社長の肩書を残したまま引き継ぐ条件で、40万の
金を渡す東尾。松田の残金40万が返せるとその条件を承諾する熊吾
であったが、後にまた災いがふりかかることとなる。
博美のアパートに入って行く熊吾を見て、房江は松田の母親が話して
いた事が本当だと気付かされる。
激しく憤った房江は、自殺すべく城崎へと旅立つ。
アメリカでは、ケネディ暗殺の衝撃的な事件の起こった年であった。
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