骨の記憶

著者:楡 周平 発行所:文藝春秋

昭和34年、中学を卒業した長沢一郎は集団就職のため半日かけて上野駅
に降り立った。
岩手の貧農の長男に生まれた一郎は、当然のごとく高校進学など
夢の話で、ラーメン屋へ就職した。
そして大事件が起こり、別人になりすました一郎は、運送会社へ
職を替える。
仕送りを続けていた田舎と縁を切らざるえなかった一郎は、
コツコツと開業資金を貯めるかたわら、別人名義の遺産も入り、
運送会社を興す。12人で始めた運送屋が、一郎の才覚で、25年後には
1300人年商260億へと大飛躍を遂げる。
立身出世を遂げた一郎だが、家庭には恵まれなかった。
それは、小学生の時に、村一番の金持ち息子弘明と犯したある重大な罪の
報いだと一郎は信じた。
一方、没落した旧家で、財産も売れない山ばかりとなった弘明で
あったが、一郎の初恋相手の清枝を妻に迎え、家庭には恵まれていた。
余命わずかとなった一郎が、最後に起こした行動とは・・・。☆☆☆☆☆

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