もうひとつの「流転の海」

宮本 輝 著 : 堀井憲一郎 編
発行所:新潮社

流転の海全九巻の素晴らしい大河小説を読み終わり、熊吾ロス
となってしまった読者用に、喪失感をやわらげるために、宮本作品
に精通した堀井ライターが、松坂一家と関連性のあるエッセイや
小説の断片を集めた一冊になっています。
流転の海は、著者の父親をモデルにしており、どこがノンフィクションで
どこがフィクションなのかわかりませんが、読んでいるとそれはまったく
どうでもよい事に思えてきます。
私の中では、15編から「力道山の弟」「母への手紙」が印象に残りました。
少しだけ紹介すると、著者が結婚する前に、母親があなたと嫁がケンカ
したら、たとえあなたが正しくてもお嫁さんの味方をする。
家庭を崩壊させるほどの過ちを犯すような女を奥さんに選んだりしないだろう
というくだりです。
著者が結婚して16年後に母親への手紙にこのことを書き、夫婦ゲンカで
一度も私の味方になってくれませんでしたと述懐しています。
これを読んで、熊吾ロスも少しマシになりました。☆☆☆☆☆

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